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腎盂・尿管がん

腎盂・尿管がんとは

 腎盂と尿管は上部尿路と呼ばれ、ここにできるがんは治療法にあまり差がないため、両方をまとめて考えることが一般的です。腎盂から尿管、膀胱の内側は尿路上皮と呼ばれる粘膜で覆われています。この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといい、腎盂・尿管がんのほとんどを占めます。腎盂・尿管がんは、尿路内のいろいろな場所に多発しやすいという特徴があります。腎盂と尿管の両方にできることもあります。腎盂・尿管がんでは、治療後30〜50%程度で、膀胱がんが発生することが知られています。

腎盂・尿管がんの症状

 腎盂・尿管がんで最も多い症状は肉眼的血尿です。尿管が血液でつまった場合や、がんが周囲に広がった場合などには、腰や背中、わき腹の痛みが起こることもあります。がんで尿管がふさがると水腎症(腎臓の中に尿がたまった状態)になります。これが長く続くと、腎臓が機能しなくなってしまうことがあります。

腎盂・尿管がんの診断方法

 肉眼的血尿の場合、出血源を明らかにするため膀胱鏡検査が行われます。また、尿細胞診検査を行います。腎機能に問題がなければ、静脈性腎盂造影(IVP)検査、あるいはCTを用いたCT urographyが行われます。また、逆行性腎盂造影(RP)や軟性尿管鏡検査が考慮されます。がんであると診断された場合は、CT検査等でがんの広がりを調べます。

腎盂・尿管がんの治療

 腎盂・尿管がんの治療は、転移がなければ基本的に手術を行います。尿路上皮がんは多発・再発するのが特徴なので、がんのある部分のみの切除は一般に行われません。

腎尿管全摘除術+膀胱部分切除術

 多くは、がんのある片側の腎臓、尿管、さらに膀胱壁の一部を含めた全ての上部尿路の摘出および膀胱部分切除を行います。手術の方法には、開腹手術、腹腔鏡手術があります。

化学療法

 浸潤性の尿管がんは外側に広がりやすい特徴があります。また浸潤性の腎盂がんは腎臓の中に広がったり転移したりすることも少なくありません。そのため、術前の画像診断によりがんの浸潤が認められた場合や手術後の組織検査の結果によっては、手術前後に化学療法を行うことがあります。また、すでに転移している場合は化学療法が行われます。化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに対して、免疫チェックポイント阻害薬が使用されることがあります。

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