Treatment
がん診療センター長
臨床腫瘍科 特任教授
岩谷 岳
Takeshi Iwaya
がん診療センターは、岩手医科大学附属病院のがんセンターに、内科部門、外科部門、臨床腫瘍科部門、病理部門、放射線部門、歯科部門の6部門からなる新しいセンターとして2021年4月1日に設置されました。各部門の密接な連携の下に、がん患者さんに対して診療科の垣根を越えた臓器横断的かつ総合的ながん診療を行い、患者さんの生命予後とクオリティ・オブ・ライフ(QOL;生活の質)の改善に向けた取り組みを推進しております。
キャンサーボードミーティングの様子
当院は、「都道府県がん診療連携拠点病院」として、地域の医療機関と連携して、各診療科・部門を中心に患者さん本位の専門性の高い総合的ながん診療の提供に努めております。一方、近年のがん診療の進歩は著しく、新しい治療法や抗がん薬が次々と開発され臨床に応用されています。また、医薬品の効果や副反応を事前に予測するために行われるコンパニオン診断や、がんに関連する多数の遺伝子変化を同時に解析するがん遺伝子パネル検査が実用化されてきました。これらの新しい検査方法を用いて、一人一人のがんの遺伝子変化(がんの個性)を明らかにし、患者さんにより適した治療などを行うがんゲノム医療が本格的に始まりました。がん診療センターでは、この様な治療の多様化にも対応するために、以下の活動を行っております。
①各診療科・部門が連携した臓器横断的で総合的な治療
②がん薬物療法(いわゆる抗がん剤治療)や放射線治療との併用療法
③手術療法や術前・術後のがん薬物療法
④がんの個別化医療やがんゲノム医療(がんの遺伝子情報に基づく治療)の推進
⑤キャンサーボード(多診療科・多職種による症例検討会)によるがん診療の総合的検討