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胃がん

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胃がんとは

 胃がんとは、胃の粘膜上皮から発生する上皮性悪性腫瘍の総称です。日本のがん統計で罹患数2位(2014年)、死亡数3位(2017年)であり頻度の高い病気です。原因としてヘリコバクター・ピロリ菌感染や喫煙、飲酒、高塩分食などがあります。がんは胃の内側にある粘膜層から発生し、大きくなるにしたがい粘膜下層、固有筋層、漿膜へと胃の外側に深く進んでいきます。粘膜下層までのがんを早期胃がん、固有筋層より深いがんを進行胃がんと呼びます。胃がんでは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、周囲のリンパ節や遠隔臓器へ転移したり、おなかの中にがん細胞が散らばる腹膜播種(ふくまくはしゅ)が起こることがあります。5年生存率は胃癌全体で70%、ステージIで90%、ステージⅡで80%、ステージⅢで50-60%、ステージⅣで10%程度です。

胃がんの症状

 胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどありません。進行してくると、みぞおちの痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などが出現します。また、胃がんから出血することによって起こる貧血や黒い便が発見のきっかけになる場合もあります。また、胃の入口や出口の近くにがんが出来た場合には食事がつかえる、体重が減る、といった症状が見られることがあります。

胃がんの診断方法(図1,2)

 胃がんの診断には上部消化管内視鏡検査と上部消化管造影検査が用いられます。初期の胃がんの診断は内視鏡検査が有効であり、通常の観察に加えて色素観察や画像強調内視鏡観察などを用いることで早期発見が可能です。他のがんと同様に、がんが疑われる部位からの組織検査を行い、病理診断でがんを確認することで確定診断となります。胃がんの治療方針を決定するためには、進行度(ステージ)を診断する必要があるため、CT、PET-CT、MRI、腹部超音波検査などを行います。

胃がんの治療(図3,4)

胃がんの治療は内視鏡治療、外科手術、放射線治療、化学療法があり、がんの進行度とからだの状態によって治療方法を決定します。早期がんで、周囲のリンパ節に転移の危険が少ない場合には内視鏡治療が行われます。小さな病変であればEMR(内視鏡的粘膜切除術)が行われますが、当院ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を積極的に行っており、大きな病変でも確実な切除が可能です。進行がんの場合は遠隔転移がなければ外科手術を行い、遠隔転移を認める場合には化学療法が行われます。

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