岩手医科大学プログラムは
研究、教育も含んだバランスがとれた
素晴らしいものであると自負します。

小笠原 邦昭
Kuniaki Ogasawara
岩手医科大学附属病院長

岩手医科大学の建学の精神「誠の人間の育成」は附属病院の理念でもあり、病気だけではなく“人”を診る患者中心の医療の実践こそ本大学附属病院が提供する医療の原点です。最新の医療設備と医療機器を備え、研究・教育能力を有する約3,000人の医療スタッフが勤務しており、標準的医療の提供に加え、先進的な医療も提供しております。2019年9月新病院の新築・移転(矢巾)に向けて、病院建築のみならず種々の運用方法が検討されています。また、高次な外来機能を有する内丸メディカルセンターの整備も計画されています。

岩手医科大学附属病院は県内唯一の特定機能病院として、48の標榜診療科を有する本体には、救急車のみならず、Doctorヘリ搬送患者の治療を24時間体制で行う岩手県高度救命救急(災害医療)センター、重症合併症を有する妊婦・新生児の治療を集中して行う総合周産期母子医療センター、県がん拠点病院としての腫瘍センターでは先進的ながん医療を患者さんも含めた多職種(医歯薬看)チーム医療(ともに創る医療)を行い、がんの治癒のみならず、多くのがん患者会やボランティアの方々の協力下に「がんサロン」や「がん相談支援センター」、また、「がん緩和ケア」チームにて「がんとの共生」も支援しております。一方、治験拠点病院として、治験センター(臨床研究支援センター)では臨床研究法や新GCPに基づく将来の医療を見据えて多くの新薬開発に取り組んでおります。チームで連携を取り合いながら前に進む、チーム医療は、正確かつオープンな情報開示、証拠に基づく治療の受け入れ、インフォームド・コンセントの理解、臨床試験及び治験の成功、これらすべてが病院機能に非常に重要です。附属施設として、循環器医療センターも東北一の規模であり、歯科医療センターでは豊富な人材で種々の口腔疾患に対する標準・先進医療を行っており、医・歯連携した医療を加速しています。さらにPET/リニアック先端医療センターも備え、全人的医療の提供を全身臓器横断的に実践致しております。

理事長も常々言われていますが、大学病院は、診療、研究、教育の3本柱が互いに作用を高めることで相加・相乗効果が発揮できます。研修医制度の導入の基本はプライマリーケアーができる医師の育成です。プライマリーケアーって?その心は「誠の人間であれ」です。何が専門であろうと医師は「目の前の患者を診る」のが基本です。「私は○○の専門だから他は診ない」は単なる医師のわがままです。種々の観点から幅広い診療を学び、そして、研究する心、学生に教えるという姿勢を兼ね備えることこそ、将来、患者に信頼される、患者のための医療が提供できる良医になれる王道だと思います。岩手は地域医療を学ぶにはうってつけの地です。岩手医科大学のプログラムには「たすきがけ」など県立病院などの地域の病院での研修ができる多くの工夫が施されています。評判が良い、研修医が集まる病院での研修も魅力的だと思いますが、岩手医科大学プログラムは研究、教育も含んだバランスがとれた素晴らしいものであると自負します。是非、積極的な研修を行ってください。自ら動くことで学びは始まります。研修医の一言は患者さんに夢と勇気を与えます。

2019年4月