看護師の特定行為とは

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看護師の特定行為とは

2021年度より、外科パッケージ、在宅パッケージ、選択コースを開始いたしました!

 2015年10月1日より特定行為に関する看護師の研修制度の開始を受けて、本学附属病院高度看護研修センターでは、厚生労働省の指定研修機関として特定行為教育課程を開講しております。2019年の省令一部改正により、研修の内容及び時間数の精錬化を図るとともに、特定行為研修修了者の現場での活用に資すると考えられる領域において、実施頻度の高い特定行為をパッケージ化し、研修することが可能となりました。
これを受けて、本教育課程において、2021年度より外科術後病棟管理領域パッケージ(以下「外科パッケージ」という)及び在宅・慢性期領域パッケージ(以下「在宅パッケージ」という)、さらに受講者のニーズに合わせて区分を選択できる「選択コース」を開始いたしました。

看護師の特定行為研修について

1. 特定行為に係る看護師の研修制度と目的

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、今後の医療を支えるために保健師助産師看護師法の一部改正によって、2015年10月1日から、手順書により特定行為を行う看護師に対し、「特定行為研修」の受講が義務づけられました。
 新たな研修制度は、看護師が手順書により行う特定行為を標準化することで、今後の急性期医療から在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成することを目的としています。
 高度看護研修センターは、2015年度に東北で唯一保健師助産師看護師法に基づく特定行為研修の指定研修機関(特定行為1区分)に認可され、2018年度には、さらに特定行為区分6区分が認可されました。

2. 看護師の特定行為とは

 特定行為とは、診療の補助であって、看護師が手順書により行なう場合には実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされるものとされています。(保健師助産師看護師法第37条の2)
 また、手順書とは、医師又は歯科医師が看護師に診療の補助を行わせるためにその指示として作成する文章であって、「看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲」「診療の補助の内容」等が定められているものです。(保健師助産師看護師法第37条の2)
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3. 特定行為研修の理念

 特定行為研修は、チーム医療のキーパーソンである看護師が、患者・国民や医師・歯科医師その他の医療スタッフから期待される役割を充分に担うため、医療安全に配慮し、在宅を含む医療現場において、高度な臨床実践能力発揮できるように、自己研鑽を継続する基盤を構築します。

4. 特定行為研修の要綱

 研修は、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であって、特定行為(38行為)区分(21区分)ごとに特定行為研修の基準に適合するものとされ、38行為は病態確認の内容の類似性や行為が実施される医療現場のニーズなどを考慮し、21の「特定行為区分」に分類されています。
 特定行為研修の教育内容は、すべての特定行為区分に共通する「共通科目」と、特定行為区分ごとに異なる「区分別科目」から構成されており、それぞれ講義と演習または実習により履修します。

5. 本学の概要

 2012年度からの厚生労働省試行事業の実績から、行為区分を創傷管理関連(褥瘡(床ずれ)又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去、創傷に対する陰圧閉鎖療法)としました。2018年度からは、6区分を追加し、Aコース(呼吸器関連)、Bコース(創傷管理関連)を開講、2020年度にはCコース(在宅ケア関連)を開講し、現在においては、「外科パッケージ」、「在宅パッケージ」を含め、受講者のニーズに合わせて特定行為区分を選択する「選択コース」の研修も可能となりました。

特定行為研修の名称 岩手医科大学附属病院高度看護研修センター 特定行為教育課程
開講年度 2022年度
特定行為区分の名称 ・外科パッケージ
・在宅パッケージ
・選択コース(詳細はお問い合わせください)
研修の実施期間 4月~翌年3月
・4月~7月 共通科目(eラーニング、演習)
(上記期間中に、14日程度の集合研修があります。)

・8月~   区分別科目(eラーニング)、
     演習・実技実習(集合教育)
(eラーニングのため、職場を離れることなくご自宅でも受講ができます。)

・10月下旬~翌年2月下旬   臨地実習
(原則、自施設にて実習を行っていただきます。)

受入人数 外科パッケージ 3名、在宅パッケージ 7名、選択コース 3名

6. 今後の展望

 本制度の意義は、特定行為のみを行なうことではなく、看護の関わりの中で特定行為も含めた医療を提供することであり、CureとCareを統合した看護師が医療チームの一員として複雑化する医療ニーズに対応し患者の健康回復に貢献できることが期待されることにあります。
さらに、看護の専門性を発揮し、手順書を用いて医師の指示を待たずに病態を判断して、特定行為を含む医療を提供することで、これまで以上に医療・看護をより良い方向に導いていくと考えられます。
 様々な場で、看護の専門性をさらに発揮した活動が可能となるため実施状況や課題を明らかにし、安全性を向上させる取り組みを積極的に行ってまいります。

  • 岩手医科大学附属病院

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