附属病院における医療の質を示す指標(Quality Indicator)について
医療の質を示す指標(Quality Indicator)として、病院の機能や診療の状況などを数値化し、他施設との比較、経時的な変化などから、提供する医療が安全な水準にあるかを検証し、より質の高い医療の提供を図るために活用しております。
岩手医科大学附属病院 臨床指標 2021年11月更新
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1 患者満足度(外来患者)満足
年1回実施する患者満足度調査において、外来診療における治療の結果、安全な治療に対する患者さんの満足度を示した指標です(総合的な評価を 「満足」と回答した割合)。数値が高いほど、外来診療に対して患者さんが満足していることを示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 28.4% 24.3% – 34.2% -
2 患者満足度(外来患者)満足またはやや満足
年1回実施する患者満足度調査において、外来診療における治療の結果、安全な治療に対する患者さんの満足度を示した指標です(総合的な評価を 「満足」もしくは「やや満足」と回答した割合)。数値が高いほど、外来診療に対して患者さんが満足していることを示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 63.3% 58.1% – 75.7% -
3 患者満足度(入院患者)満足
年1回実施する患者満足度調査において、入院診療における治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者さんの満足度を示した指標です(総合的 な評価を「満足」と回答した割合)。数値が高いほど、入院診療に対して患者さんが満足していることを示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 32.1% 29.2% – 44.2% -
4 患者満足度(入院患者)満足またはやや満足
年1回実施する患者満足度調査において、入院診療における治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者さんの満足度を示した指標です(総合的 な評価を「満足」もしくは「やや満足」と回答した割合)。数値が高いほど、入院診療に対して患者さんが満足していることを示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 68.2% 65.4% – 81.5% -
5 一日平均延べ入院患者数
一日に何人の患者さんが入院していたか、期間内の平均を示す数値です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 898.2人/日 882.1人/日 792.4人/日 778.6人/日 -
6 病床稼働率
当院は1,000床のベッドを保持していますが、期間内において、何割のベッドが患者さんに提供されていたかを示す数値です。病棟にはそれぞれ機能 があるため、病棟別に稼働率を管理することで、ベッドの使い方を見直す指標となります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 79.2% 78.3% 74.8% 77.9% -
7 手術件数(手術室で実施したもの)
当院の手術室で期間内に実施された手術の件数実績を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 9,866件 9,847件 9,101件 8,561件 -
8 うち)全身麻酔件数
No.7の手術件数のうち、全身麻酔下に行われた手術の件数実績を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 5,862件 5,869件 5,889件 6,206件 -
9 分娩件数
期間内に行われた分娩の件数実績を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 362件 354件 293件 286件 -
10 剖検率(死亡数に対する解剖実施数の割合)
院内で死亡された患者さんの数に対する、解剖を実施した事例数の割合です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 5.6% 9.1% 7.0% 6.2% -
11 クリニカルパス適用率
院内で運用しているクリニカルパス(入院から退院までの一連の医療行為を標準化した工程表)の使用割合であり、標準化された医療が実施されていることを示す指標です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 29.5% 27.3% 28.6% 30.1% -
12 一日平均延べ外来患者数(入院患者の外来受診を含まない)
一日に何人の患者さんが外来受診されたか、期間内の平均を示す数値です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 1,970.0人/日 1,967.9人/日 1,221.7人/日 612.9人/日 -
13 救急システム運用実績
コードブルー
院内で患者さんの容態が急変した場合、周辺フロアにいる医療者に応援を求めることができるように、館内放送を利用した救急システムを整備しています。コードブルーは生命に関わる急変時に発動される救急システムの実績を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – 8(月平均1.6)件 26(月平均2.2)件 2019年11月開始 コードAMI
コードAMIは緊急で心臓カテーテル手術が必要となった際に発動される緊急システムであり、優先的なカテーテル室や人員の確保について館内の医療者へ協力を求めるものです。ここではその発動実績を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – 22(月平均4.4)件 49(月平均4.1)件 2019年11月開始 グレードA
グレードAは緊急分娩が必要となった際に発動される緊急システムであり、優先的な手術室の確保について館内の医療者へ協力を求めるものです。こ こではその発動実績を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – 1(月平均0.2)件 3(月平均0.3)件 2019年11月開始 コードストローク
コードストロークは緊急で血栓回収療法が必要となった際に発動される緊急システムであり、優先的なカテーテル室や人員の確保について館内の医療者へ協力を求めるものです。ここではその発動実績を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 4(月平均1.3)件 2021年1月開始 -
14 院内迅速対応システム(コードイエロー)運用実績
急変兆候のある患者さんに対して、病棟スタッフが専門チームであるRRT(Rapid Response Team)の介入を依頼した実績を示しています。意識や 循環、呼吸などの状態により急変を事前に察知し、主治医や担当看護師とRRTが協力して今後の対応方針を検討するためのシステムです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 680(月平均85) 2020年8月開始 -
15 死亡退院患者率
医療施設の特徴や取り扱う患者さんの傾向などにより左右されるので、他の病院と単純に比較することはできず、大きく変動することも考えにくい数値です。より低い数値が望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 2.2% 1.8% 2.0% 2.2% -
16 入院患者の転倒・転落発生率
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落発生を割合として示した指標です。転倒転落により発生した損傷の度合別に事例を分析し、発生要因の特定に活用されます。患者さんの高齢化により転倒転落のリスクが上昇する中で、結果が大きく悪化していなければ、改善活動の成果と考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 1.89‰ 2.19‰ 2.76‰ 2.64‰ 精神病棟 2.52‰ 4.29‰ 4.82‰ 4.18‰ -
17 入院患者の転倒転落による損傷発生率(損傷レベル2以上)
入院患者さんの転倒転落の発生により、軽度(あざ・擦り傷)以上の損傷が発生した事例の割合です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 0.51‰ 0.70‰ 1.26‰ 1.34‰ 精神病棟 0.60‰ 1.03‰ 1.98‰ 1.95‰ -
18 入院患者の転倒転落による損傷発生率(損傷レベル3以上)
入院患者さんの転倒転落の発生により、中軽度(筋肉、関節の挫傷)以上の損傷が発生した事例の割合です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 0.24‰ 0.33‰ 0.34‰ 0.33‰ 精神病棟 0.36‰ 0.69‰ 0.66‰ 0.29‰ -
19 入院患者の転倒転落による損傷発生率(損傷レベル4以上)
入院患者さんの転倒転落の発生により、重度(骨折等)以上の損傷が発生した事例の割合です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 0.02‰ 0.01‰ 0.00‰ 0.00‰ 精神病棟 0.00‰ 0.00‰ 0.00‰ 0.06‰ -
20 65歳以上の入院患者における転倒転落発生率
入院患者さんの転倒転落事例のうち、65歳以上の患者さんに発生した事例を割合として示した指標です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 2.40‰ 2.96‰ 3.61‰ 3.45‰ 精神病棟 3.60‰ 6.19‰ 10.09‰ 5.40‰ -
21 褥瘡発生率
褥瘡は、患者さんの生活の質低下をきたすとともに、感染などにより、入院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。そのため褥瘡の発生率は医療の質の重要な評価の1つとなっています。数値は当院に入院後に褥瘡を発症した患者さんの割合を示しており、低いほど望ましいと言えます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 0.028% 0.033% 0.041% 0.041% 精神病棟 0.006% 0.035% 0.027% 0.006% -
22 紹介率
紹介率とは、初診患者に対し、他の医療機関から紹介されて来院した患者さんの割合です。大きな病院だけに患者さんが集中しないために、各病院の役割に応じた診療を行う必要があり、地域の医療機関同士の連携が重要となります。そのため、かかりつけ医からの紹介率を地域連携の度合いを示す指標としてモニタリングしています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 76.1% 76.3% 78.9% 81.4% 精神病棟 67.0% 67.7% 58.4% 67.0% -
23 逆紹介率
逆紹介率とは、初診患者に対し、他の医療機関へ紹介した患者さんの割合です。大きな病院だけに患者さんが集中しないために、各病院の役割に応じた診療を行う必要があり、地域の医療機関同士の連携が重要となります。逆紹介率は、大学病院で治療を終えた患者さんを地域の病院へお送りする度合いを示しますので、地域連携の指標として重要な数字です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 83.4% 88.5% 119.3% 127.0% 精神病棟 154.4% 178.6% 238.7% 75.3% -
24 尿道留置カテーテル使用率
尿路感染症は医療関連感染の中で最も多く発生し、その多くが尿道留置カテーテルによる感染です。本指標は、この尿路感染症発生率を算出するための事前準備指標となり、どのぐらいの患者に尿道留置カテーテルが使用されているかを示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 14.4% 16.9% 15.1% 10.4% -
25 症候性尿路感染症発生率
医療機関で起こる血流感染の15%は、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の合併症であると推計されていますが、予防策の実施により、CAUTIの 65%‐70%は予防可能とされています。発生率を指標として作成することで、感染症対策業務の改善に活用できます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 0.0% 0.0% 1.5% 1.4% -
26 救急車・ホットラインの応需率
救急医療の機能を測る指標であり、救急車受入要請のうち、何台受け入れができたのかを表しています。数値が高い方が望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 99.95% 99.95% 99.85% 99.70% -
27 救急車受入要請件数
指標No26を算出するための数値であり、救急車両の受入要請の総数です。この数値の動向により、地域的な救急医療の需要を量る目安になります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 3,707件 3,737件 3,997件 3,374件 -
28 うち)受入件数
指標No26を算出するための数値であり、実際に救急患者搬送要請を受け入れた事例数です。救急センターの運営状況を示す指標の一つです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 3,705件 3,735件 3,991件 3,364件 -
29 救急搬送受入をお断りした事例
当院は救急搬送要請を100%受け入れることを基本方針としておりますが、止むを得ずお断りすることがあります。どのような状況下でお断りしたかを記録することにより、救急センターの適切な運営管理に役立てることができます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 重症患者の治療中による受入困難:2例 患者が飲酒状態で緊急症状がない:1例 重症患者の治療中による受入困難:1例
重症患者の治療中による受入困難:5例 軽症であるため近隣へ搬送:1例
重症患者の治療中による受入困難:3例 軽症であるため近隣へ搬送:7例
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30 特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
手術後の手術部位感染症に対する予防策として、手術前後の抗菌薬投与が挙げられます。手術開始時から血中の抗菌薬濃度を適切に保つことで、術後の感染リスクを低減することができます。この数値が高いほど、病院としての術後感染症対策への意識が高いと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 98.2% -
31 特定術式における術後24時間(心臓は48時間)以内の予防的抗菌薬投与停止率
術後感染症を予防するために、手術後に抗菌薬を予防的に投与しますが、無暗に長期間投与することは医療資源の無駄な投与につながります。この指標は予防的抗菌薬の適正使用に関する指標であり、数値が高いほど望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 85.8% -
32 特定術式における適切な予防的抗菌薬選択率
No31の指標と同様に予防的な抗菌薬投与を適切に実施しているかどうかを示す指標であり、数値が大きいほど望ましいと考えられます。菌の種類に対応して多数の抗菌薬があるため、菌種に対応した薬剤を選択することで無駄を低減していることを示す指標となっています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 100% -
33 手指消毒薬(ABHR)使用量
手指消毒は、清潔で安全な医療行為を提供する感染対策として最も有効な方法です。本指標は、患者さんお一人に対し医療スタッフが1日で使用した消毒薬の量を計算しており、推移を確認することで感染対策活動について評価しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 ICU部門 166.8(ml/patientday) 148.7(ml/patientday) 138.9(ml/patientday) 78.4(ml/patientday) NICU部門 75.3(ml/patientday) 90.2(ml/patientday) 101.1(ml/patientday) 150.6(ml/patientday) 一般病棟 19.3(ml/patientday) 19.8(ml/patientday) 11.3(ml/patientday) 14.6(ml/patientday) -
34 5Moments遵守率
5moments(ファイブモーメント)とは、手指消毒や石けんによる手洗いを行う適切なタイミングについて、2009年に世界保健機関(WHO)が示したものです。本指標は、医療スタッフが医療行為中に手指衛生のタイミングを遵守している割合を示しており、推移を確認することで感染対策活動について評価しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 ICU部門 66.5% 72.0% 44.1% 67.8% 目標65%以上 NICU部門 71.2% 61.3% 78.7% 70.3% 目標65%以上 一般病棟 65.5% 68.1% 63.7% 66.4% 目標65%以上 -
35 MRSA分離率(分離数/検体提出数)
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、特定の抗生剤が効きにくい細菌であり、人の手や医療器具などを介して人から人に伝播する細菌です(接触感染)。病院だけではなく市中でも拡がる細菌ですが、院内で拡がらないように対策を実施しています。本指標は検査室に提出される検査材料のうちでMRSAが検出される割合を示しています。割合が低いほど望ましいとされています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 3.9% 4.5% 5.3% 4.8% JANIS 6.5 -
36 MDRP分離率(分離数/検体提出数)
MDRP(多剤耐性緑膿菌)は、多くの抗生剤が効きにくい細菌であり、MRSAと同じように接触感染で拡がります。本指標は検査室に提出される検査材料のうちでMDRPが検出される割合を示しています。割合が低いほど望ましいとされています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 0.0% 0.0% 0.1% 0.1% JANIS 0.1 -
37 ブドウ球菌におけるメチシリン耐性率
ブドウ球菌は皮膚の常在菌のひとつですが、特定の抗生剤が効きにくい菌が存在します。本指標は、当院の検査で検出されたブドウ球菌中のメチシリンという抗生剤が効きにくい菌の割合を示しています。割合が低いほど望ましいとされています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 56.0% 48.0% 51.4% 50.6% 目標20%以下 -
38 MRSA菌血症発生率(発生数/全入院患者数×1000)
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は皮膚に存在することの多い菌ですが、感染症を発症すると特定の抗生剤が効きにくいため治療に難渋することがあります。本指標は、全入院患者さんにおける本感染症患者さんの割合を示し、大きな変化がないか確認しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 0.03‰ 0.03‰ 0.05‰ 0.04‰ -
39 C.difficile 発生率(発生数/全入院患者数×1000)
C.difficile(クロストリディオイディス・ディフィシル)は腸内に存在することがある細菌ですが、感染症を発症すると接触感染で拡がる細菌です。本指標は、全入院患者さんにおける本感染症患者さんの割合を示し、大きな変化がないか確認しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 0.12‰ 0.15‰ 0.13‰ 0.11‰ -
40 CLABSI (中心静脈カテーテル関連血流感染症)
感染率 (1000device‐day)
中心静脈カテーテル関連血流感染症は、医療関連感染の中でも発症すると重症化するリスクの高い感染症です。この数値は、中心静脈カテーテルを使用している患者さんについて、どれくらいの割合で感染事例が発生しているかを示しており、モニタリングを継続しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 特殊部署 5.5% 4.1% 5.1% 3.9% JHAIS 1.6 一般病棟 3.7% 2.5% 4.4% 0.8% JHAIS 2.0 使用比
中心静脈カテーテル関連血流感染症は、どれくらい使用されているかにおいてリスクが異なります。本数値は、入院患者さんにおいて中心静脈カテーテルが使用されている比率を確認する指標です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 特殊部署 0.59 0.61 0.52 0.40 一般病棟 0.05 0.05 0.05 0.04 MSBP遵守率 (高度無菌遮断予防策)
中心静脈カテーテルを挿入する際は、高度無菌予防策という厳密な無菌操作が必要です。この数値は、挿入時に遵守された割合を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 特殊部署 92.2% 92.0% 91.1% 91.1% 一般病棟 64.7% 94.1% 97.3% 86.7% -
41 VAE (人工呼吸管理関連事項)
人工呼吸器装着に関連した肺炎の合併は、医療関連感染のひとつです。本指標は、集中治療室に入院された患者さんにどれくらい人工呼吸器を使用しているか使用比として把握し、どれくらいの割合で感染事例が発生しているかモニタリングしています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 感染率 (1000device‐day) GICU/HCU – – 11.42% 7.20% 使用比 GICU/HCU – – 0.42% 0.40% -
42 SSI (手術部位感染)
SIR(標準化感染比)
手術部位感染は医療関連感染のひとつで、手術に関連して発症する感染症のことです。本指標は、院内で実施している手術の中から特定の術式を選び、全国の標準的な感染率と比較しています。結果に大きな変化がなければ、適切な管理における推進活動の成果であると考えます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 CBGB(冠動脈バイパスグラフト術) 1.08 0.19 1.23 0.56 目標1.5以下 FUSN(脊椎固定術) 1.68 2.48 1.87 1.27 目標1.5以下 ESOP(食道手術) 0.18 1.11 0.59 0.00 目標1.5以下 COLO(大腸手術) 1.02 1.55 1.34 0.55 目標1.5以下 BILI-PD(膵頭十二指腸切除) 1.27 1.67 2.13 0.96 目標1.5以下 -
43 静注抗菌薬使用量
感染症治療に使用される抗菌薬は、種類や量を適切に選択して使用することで、治療効果向上や耐性菌出現の抑制が期待できます。本指標は、抗菌薬使用状況を把握し、適正使用を支援することに役立てられています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 19.42AUD 17.18AUD 16.55AUD -
44 糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c<7.0%
HbA1cは血糖値のコントロール状態を示す指標であり、合併症を予防するためには、HbA1cを7.0%未満に維持することが推奨されています。このことから、HbA1cが7.0%未満にコントロールされている患者さんの割合を、糖尿病診療の質を判断する指標の1つとして示しています。患者さんの病態によっては、血糖値を高めにコントロールする必要がある場合もあり、例外があることも認識する必要があります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 40.3% 47.7% 36.8% 37.7% -
45 65歳以上の糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c<8.0%
No44の指標のうち、患者さんが65歳以上の場合で、HbA1cを8.0%未満にコントロールされている患者さんの割合を示しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 80.4% 82.9% 76.3% 76.7% -
46 30日以内の予定外再入院率
初回入院時の治療目標を達成している場合でも、回復が不十分であったことなどを要因として、退院後30日以内に予定外の再入院となる場合があります。退院患者さんのうち、予定外の再入院となった患者さんの割合を示しており、数値が低い方が望ましい指標です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 3.7% 3.6% 3.9% 4.2% -
54 脳卒中患者のうち入院2日目までに抗血小板療法もしくは抗凝固療法を受けた患者の割合
脳梗塞急性期における抗血栓療法として、発症48時間以内のアスピリン投与が確立された治療法となっています。したがって、適応のある患者さんには入院2日目までに抗血小板療法もしくは抗凝固療法の投与が開始されていることが望まれます。この数値は高いほどに当該治療の質が高いことを示し、予後が期待できると考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 67.1% 64.3% 69.7% 88.5% -
55 脳卒中患者のうち退院時抗血小板薬処方割合
非心原性脳梗塞や非心原性一過性脳虚血発作では、再発予防のために抗血小板薬の投与が推奨されていますので、適応のある患者さんには抗血小板薬の投与が開始されていることが望まれます。数値が高いほど望ましい指標です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 66.7% 63.9% 36.6% 66.8% -
56 脳卒中患者の退院時スタチン処方割合
脳梗塞再発予防には、抗血栓療法と内科的リスク管理が重要です。内科的リスク管理の一つとして、脂質異常症のコントロールが推奨されており、薬剤、特にスタチンを用いた脂質管理は血管炎症の抑制効果も期待できます。本指標は、退院時にスタチンを処方した患者さんの割合を示しており、割合が高いほど望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 32.7% 41.5% 56.8% 72.5% -
57 心房細動を伴う脳卒中患者への退院時抗凝固薬処方割合
心原性脳梗塞での再発予防には抗凝固薬の投与が推奨されています。脳卒中治療ガイドラインには「心原性脳塞栓症の再発予防は通常、抗血小板薬ではなく抗凝固薬が第一選択薬である」とされ、適応のある患者さんには抗凝固薬の投与が開始されていることが望まれます。脳卒中患者へ質の高い医療を提供していることを示す指標の一つです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 97.7% 86.8% 94.2% 89.3% -
58 脳梗塞における入院後早期リハビリ実施患者割合
脳卒中患者では早期にリハビリテーションを開始することで、機能予後を向上させ、再発リスクの増加も認められず、入院期間が短縮されることが分かっています。適応のある患者さんには早期からリハビリテーションが開始されていることが望まれるため、実施割合が高いほど、望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 34.1% 37.8% 49.3% 77.2% -
59 喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(15歳以上)
喘息患者においては、吸入ステロイド薬とピークフローモニタリングによる自己管理が治療の基本となります。また、急性発作期にはステロイド薬の内服や点滴が必要です。この指標は、喘息患者のうち入院中に吸入ステロイドを処方された患者さんの割合ですが、当院は15歳以上で喘息治療のために入院する患者さんが少ないため、数値が低くなっています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 0.0% 9.1% 0.0% 0.0% -
60 喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合(5歳から14歳)
喘息患者においては、吸入ステロイド薬とピークフローモニタリングによる自己管理が治療の基本となります。また、急性発作期にはステロイド薬の内服や点滴が必要です。この指標は、喘息患者のうち入院中に吸入ステロイドを処方された患者さんの割合です。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 72.7% 50.0% 90.0% 100.0% -
61 入院中にステロイドの経口・静注処方された小児喘息患者の割合
小児気管支喘息治療においては、喘息発作の強度に応じた薬物療法が基本となります。本指標は入院症例を急性増悪(発作)時ととらえ、全身性ステロイド薬投与の有無を示しています。より高い値が望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 40.9% 39.9% 43.0% 42.0% -
62 統合指標【手術】(No30、31、32の総合指標)
特定手術における抗菌薬の取り扱いに関する指標を総合的に示した指標です。この指標の変動は、当該分野の業務改善状況の傾向を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – – 95.6% -
64 統合指標【脳卒中】(No54~58の総合指標)
脳卒中治療に関する指標を総合的に示した指標です。この指標の変動は、当該分野の業務改善状況の傾向を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 53.2% 55.2% 56.0% 77.5% -
65 1か月間・100床当たりのインシデント・アクシデント発生件数
医療行為には常にインシデント(好ましくない事象)・アクシデント(事故)が発生する危険があります。本指標は100病床あたりのインシデント・アクシデント報告件数を示しています。事件事故の発生をできる限り防ぐことは医療安全の基本ですが、発生してしまった場合には、原因を調査し、再発防止策の施行が求められますので、インシデント・アクシデントの報告件数の多さはネガティブなことではありません。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 38.3件 40.8件 55.8件 57.6件 精神病棟 19.8件 20.8件 26.2件 37.3件 -
66 全報告中医師による報告の占める割合
医師からのインシデント・アクシデント報告件数は、一般的に少ないことが知られており、この値が高いことは医師の医療安全意識が高い組織であることを示す一つの尺度となります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 6.4% 10.9% 10.8% 9.8% 精神病棟 3.5% 3.9% 4.1% 5.3% -
67 職員におけるインフルエンザワクチン予防接種率
医療機関を受診する患者さんは、免疫力が低下していることが多く、病院職員からの感染を防止する必要があります。予防接種率が高い場合には、院内感染防止対策に積極的に取り組んでいると評価できます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 88.0% 87.9% 87.6% 91.2% -
68 糖尿病・慢性腎臓病患者への栄養管理実施率
糖尿病や慢性腎臓病の患者は、食事も重要な治療の一つです。入院時に提供される食事には、通常食と治療のために減塩や低脂肪などに配慮した特別食があります。積極的に栄養管理の介入を行うことも、医療の質の向上につながります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 43.7% 41.2% 42.3% 41.9% -
69 広域抗菌薬使用時の血液培養実施率
広域抗菌薬(複数の菌に効果のある抗菌薬)を漫然と使用し続けると、菌が耐性を獲得して抗菌薬が効かなくなる場合があります。血液培養検査によって菌を特定し、その菌に効果的な抗菌薬を選択することで、結果的に耐性菌が生じにくくなります。血液培養実施率を指標とすることで、適切な抗菌薬使用を目指す指標の一つとなります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 24.2% 31.1% 35.4% 35.7% -
70 血液培養実施時の2セット実施率
感染症の原因となっている病原菌を特定するための血液培養検査は、検出感度の向上を目的として、2セット以上行うことが推奨されています。本指標もNo69の指標と併せて、抗菌薬の適正使用を示す指標と考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 77.5% 79.5% 89.4% 83.3% -
71 身体抑制率(一般病棟の場合は18歳以上の抑制率)
一般病棟
身体の自由を身体的拘束によって妨げることは患者さんの尊厳を損なう行為であることから、身体や生命を保護するために、やむを得ない場合に最低限の期間のみ実施されるよう努めなくてはなりません。本指標は全ての入院患者さんの入院期間中に対する身体的拘束が実施された期間の割合を示したもので、数値が低いほど望ましいものです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 21.8% 21.0% 12.4% 6.5% 精神病棟
精神保健法では、身体的拘束は制限の程度が強く、二次的な身体的障害を発生させる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。本指標は精神病棟における入院患者さんの入院期間中に対する身体的拘束が実施された期間の割合を示したもので、数値が低いほど望ましいものです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 – – 16.7% 17.2% -
72 大腿骨頚部骨折の早期手術割合
大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折は、ガイドラインではできる限り早期の手術を推奨されています。本指標では、各手術について、入院2日以内に手術を受けた症例数として計測を行いました。整形手術に関する医療提供体制を評価する指標になると考えています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 23.4% 25.0% 20.5% 36.4% -
73 大腿骨転子部骨折の早期手術割合
大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折は、ガイドラインではできる限り早期の手術を推奨されています。本指標では、各手術について、入院2日以内に手術を受けた症例数として計測を行いました。整形手術に関する医療提供体制を評価する指標になると考えています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 12.5% 16.0% 26.3% 18.5% -
74 シスプラチンを含むがん薬物療法後の急性期予防的制吐剤投与率
シスプラチンは「高度催吐性リスク」に分類される抗がん剤であり、化学療法を円滑に進めるために、催吐リスクに応じた予防的な制吐剤の使用が重要です。本指標では、制吐薬適正使用ガイドラインによって急性の悪心・嘔吐への対応として推奨されている、NK1受容体拮抗薬と5HT3受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの併用が実施されているかどうかを測定しています。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 64.5% 76.7% 77.3% 80.6% -
75 抗MRSA薬投与に対する薬物血中濃度測定割合
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症に対して抗MRSA薬を使用する場合、有効血中濃度の維持、副作用の抑制、菌が耐性を獲得することを回避するため、治療薬物の血中濃度測定が重要です。本指標では、当該医薬品を使用した患者さんのうち、薬物血中濃度測定を実施した患者さんの割合を示しており、より数値が高い方が望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 54.5% 56.5% 64.9% 74.9% -
76 在宅復帰率
在宅復帰率は、退院後に自宅等(社会福祉施設、グループホーム、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅等含む)に帰宅した患者さんの割合となっており、通院または在宅での治療へ移行した割合を示します。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 94.4% 94.0% 93.4% 94.3% 精神病棟 86.8% 86.3% 79.4% 85.5% -
77 90日以内の退院患者率
精神病棟
精神疾患の中には、長期の入院治療を必要とする場合がある一方で、入院期間が長期化することで、退院後の社会生活に支障をきたす場合もあります。本指標は一定の期間での退院、社会復帰を目指すことを指標値としたものであり、より割合が高い方が、早期の退院が実現できていることとなりますので、望ましいと考えられます。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 89.4% 85.7% 90.5% 92.2% -
78 再入院率
精神病棟
精神疾患の中には、複数回の入院治療を必要とする症例がありますが、可能な限り初回の入院で病状の安定化を図り、再入院を避けることが望ましいことから、3か月以内に再入院することとなった患者さんの割合を指標としたものです。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 8.1% 7.2% 8.9% 8.6% -
79 平均在院日数(医療観察法病棟を除く)
平均在院日数とは、一定の期間内における病院全体の入院から退院までの経過日数の平均値を表し、効率的な病院運用を示す指標の一つです。また、効率的な医療の提供は、患者さんの迅速な社会復帰につながります。
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 備考 一般病棟 12.9日 12.8日 13.0日 13.2日 精神病棟 42.1日 41.4日 35.2日 39.3日