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講座からひとこと
小児科は、成長と発達の過程すべてが対象となるため、その領域は極めて広く、胎児期から成人まで身体と心の医学領域を含んでおり、さらにそれが次世代、未来へと続いていく分野です。
小児科は「子どもの総合医」、主役は子どもたち自身で、我々はその代弁者です。私たちは、やがて大人になる子どもたちとその養育者をあらゆる方面から切れ目なく支援し続けます。慢性疾患、難病、医療的ケア児・者、移行期医療、災害支援などに対し、保健、医療、行政、福祉、教育さまざまな部署と連携し、多職種によるチーム医療を実践しています。県内唯一の中核病院小児科(専攻医の基幹病院)として、小児科専攻医プログラムを持ち、質の高い小児科専門医を育成しています。2020年には全国で4番目となる寄付講座、障がい児者医療学講座を開設し、教育・研修、診療支援、ニーズ調査を行っています。診療内容
小児科外来診療は、新患・再来ともすべて矢巾附属病院1階で行っています。小児科の診療内容は多岐にわたりますが、神経、総合(腎臓・消化器・アレルギー・内分泌)、循環器、血液・腫瘍・免疫、NICUフォローアップそれぞれが専門医による高度な医療を提供しています。そのため午前中の新患担当医は曜日ごとに専門が異なりますが、他院の先生方より地域医療連携室へお送りいただいた紹介状は、あらかじめ当院の医師が確認し、病気の専門性および緊急度に応じて適切な受診日をこちらから提案し、患者さんが安心して受診いただける体制にしています。また、どこに紹介したらよいかわからない患者さんのために、当科では毎日「振り分け新患外来」を設け、診察した医師が責任をもって適切な専門医へ繋げておりますので、専門等のご心配をなさらずに紹介してください。岩手県予防接種センターの指定を受け、予防接種要注意者への接種を行っていますので、アレルギーや基礎疾患をお持ちのハイリスク患者さんはご紹介ください。
さらに当科では昨今のコロナ感染症などから子どもたちを守るために、オンラインを活用した新しい外来診療の提供も行っています。 -
矢巾附属病院の小児医療センターは、2019年の移転とともに開設されました。入院施設は、15歳以下の子どもたちと小児慢性特定疾患をお持ちの20歳までの方を疾患や診療科にかかわらず7階に集約し、他科・多職種によるチーム体制で高度医療を行っています。小児病棟「もりもり広場」58床、総合周産期・母子医療センター(neonatal intensive care unit;NICU )24床、回復期治療室(growing care unit;GCU )14床の計96床からなります。集中治療を要する子どもは、小児・一般集中治療室(pediatric/general intensive care unit;GICU)や循環器集中治療室(circulatory intensive care unit;CCU)で対応しています。当院では子どもたちの権利を守るための「病院の子ども憲章」が制定され、院内に掲げられています。コロナ感染症などで面会や付き添いが制限されているご家族と、入院中の子どもたちのためのオンライン面会を行っています。学童・生徒を対象とした支援学校訪問教室は附属病院の10階にあります。
広大な岩手と北東北の地域医療を円滑に維持するため、すべての関連病院をテレビ会議システムで結び、24時間365日連携した遠隔医療体制を構築して病診連携を積極的に行っています。