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矯正歯科とは
矯正歯科は、不正咬合をきれいな歯並びに治すだけではなく、顔立ちを整え、良くかめるようにすることや良い発音ができるようにすることも目的としている診療科です。
不正咬合とは
よく見かける不正咬合としては歯並びがでこぼこになっている叢生(そうせい)、下の歯が前に出てかみ合わせが逆になっている反対咬合(はんたいこうごう)、上の歯が前に出ている上顎前突(じょうがくぜんとつ)、前歯がかみ合わずにすき間が空いている開咬(かいこう)があります。
不正咬合の原因は
不正咬合は、親子の顔立ちが良く似ているように遺伝による場合や、指しゃぶりや口呼吸、あるいは歯とあごの大きさのバランスが悪いことなどで起こることがあります。不正咬合の中にはあごの骨の発達に伴って症状が悪化するものもありますので、不正咬合に気づいたら早めに相談されることをお勧めします。
当科における対応は
初診相談時には、治療に必要なお話をお伺いし、お口の中を拝見した上で不正咬合の状態、治療方法ならびに治療費の概略について説明します。
治療をはじめるには引き続き検査(通常2回)を行い、診断(治療法の詳細ならびに治療費の提示)をいたします。治療期間は
治療期間は、虫歯の治療と違って長期間を必要とし、短くても3年から4年、長い方では10年以上にわたる場合もあります。
治療費は
矯正歯科治療は、通常は自費診療(保険適用外)となります。治療費については、以下をご参照ください。
1.初診料:5,000円+税
矯正歯科治療に関するご相談や治療をご希望され、初めて当科を受診される際の料金です。診査内容に応じて、レントゲン撮影やお口の写真撮影
(口腔内写真)などの記録を行う場合は、別途費用がかかります。
2.再診療:4,000〜12,000円+税
本格的な治療を始める前に経過観察となった場合の診察料です。来院ごとにかかります。
3.検査及び診断料:40,000円+税
矯正歯科治療を行うために必要な一連の基本検査にかかる料金です。
検査は通常2〜3回に分けて実施しますが、回数にかかわらず料金は同一です。
4.施術料:300,000〜700,000円+税
施術料には、装置の費用と技術料が含まれています。症状の程度や治療内容により金額が異なります。ご入金の確認後に治療を開始いたします。
5.処置料:1,000〜12,000円+税
処置料は、治療のたびにお支払いいただく料金です。
6.観察料:1,000〜12,000円+税
観察料は、処置を行わず経過観察のみを行った際にかかる料金です。- やむを得ず途中で治療を中止されたり、他院へ転医される場合には、施術料の一部をお返しできることもあります。ただし、治療の進行状況によっては返金できない場合もございます。あらかじめ転居などで転医の可能性がある場合は、施術料の設定を考慮いたしますので、担当医にご相談ください。
- 治療費は変更となる場合があります。
- 矯正歯科治療に伴う抜歯や歯科矯正用アンカースクリューの埋入などの費用は含まれておりません。
- 本格的な矯正歯科治療の期間はおおよそ3年で、1〜2か月ごとに通院していただき、合計で約18〜36回の来院が目安となります。治療期間は、症状や個人差によって異なります。
矯正歯科治療の保険診療適用について
矯正歯科治療は、通常は自費診療(保険適用外)となりますが、以下のいずれかに該当する場合には、健康保険が適用されます。
【保険が適用される場合】
➀ 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
※ 具体的な疾患名については、下記にすべて掲載しています。
➁ 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
➂ 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療- 保険適用の可否についてご不明な点がございましたら、当科の歯科医師までお気軽におたずねください。
【別に厚生労働大臣が定める疾患】
1.唇顎口蓋裂
2.ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
3.鎖骨頭蓋骨異形成
4.トリーチャ・コリンズ症候群
5.ピエール・ロバン症候群
6.ダウン症候群
7.ラッセル・シルバー症候群
8.ターナー症候群
9.ベックウィズ・ウイーデマン症候群
10.顔面半側萎縮症
11.先天性ミオパチー
12.筋ジストロフィー
13.脊髄性筋委縮症
14.顔面半側肥大症
15.エリス・ヴァンクレベルド症候群
16.軟骨形成不全症
17.外胚葉異形成症
18.神経線維腫症
19.基底細胞母斑症候群
20.ヌーナン症候群
21.マルファン症候群
22.プラダー・ウィリー症候群
23.顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む。)
24.大理石骨病
25.色素失調症
26.口腔・顔面・指趾症候群
27.メビウス症候群
28.歌舞伎症候群
29.クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
30.ウイリアムズ症候群
31.ビンダー症候群
32.スティックラー症候群
33.小舌症
34.頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む。)
35.骨形成不全症
36.フリーマン・シェルドン症候群
37.ルビンスタイン・ティビ症候群
38.染色体欠失症候群
39.ラーセン症候群
40.濃化異骨症
41.6歯以上の先天性部分無歯症
42.CHARGE症候群
43.マーシャル症候群
44.成長ホルモン分泌不全性低身長症
45.ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む。)
46.リング18症候群
47.リンパ管腫
48.全前脳胞症
49.クラインフェルター症候群
50.偽性低アルドステロン症
51.ソトス症候群
52.グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
53.線維性骨異形成症
54.スタージ・ウェーバ症候群
55.ケルビズム
56.偽性副甲状腺機能低下症
57.Ekman-Westborg-Julin症候群
58.常染色体重複症候群
59.巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
60.毛髪・鼻・指節症候群(Tricho Rhino Phalangeal症候群)
61.クリッペル・ファイル症候群(先天性頸椎癒合症)
62.アラジール症候群
63.高IgE症候群
64.エーラス・ダンロス症候群
65.ガードナー症候群(家族性大腸ポリポージス)
66.その他顎・口腔の先天異常治療に使用する装置は
矯正治療に用いる装置は、よく見られることのあるワイヤーの装置や取り外しのできる装置、固定式の装置など様々ですが、患者さんの治療に最適な装置を選択して使用します。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用は
治療は、正確な診査・診断および治療計画に基づいて行いますが、すべての結果を事前に完全に予測することは困難であり、その結果についての完全な保証を行うことはできません。
矯正歯科治療を含むすべての歯科治療には、限界があり、一定のリスクが伴います。治療を受けるかどうかをご検討される際には、下記の内容を十分にご理解・ご考慮ください。治療の過程では、以下のようなことが起こる場合があります。
1.最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日間で慣れることが多いです。
2.歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に
影響します。
4.治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯、歯肉炎、歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテ
ナンスを受けたりすることが重要です。また歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります(歯根吸収)。また歯ぐきがやせて下がることがあります(歯肉退縮)。
6.歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります(アンキローシス)。
7.歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
8.治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10.様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16.あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知ずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化すること
があります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。受診予約のお願い
当センター矯正歯科では、診療を円滑にご案内するため、事前のご予約をお願いしております。
お手数をおかけいたしますが、受診を希望される方はお電話にてご予約ください。
その際、初診・再診の別、ご希望の日時に加え、紹介状の有無、紹介元および紹介先の歯科医師名をお知らせください。
なお、ご希望の受診日に添えない場合がありますので、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。
また、予約がない場合でも受診は可能ですが、当日の混雑状況により、お待ちいただく時間が長くなる場合や、診察をお受けできない場合がござい
ます。
皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。【予約・お問い合わせ先】
岩手医科大学附属内丸メディカルセンター 歯科医療センター 矯正歯科
電 話:019-613-6111(代表)
受付時間:月曜日~金曜日:午前8時30分〜午後5時00分
第1・4土曜日:午前8時30分〜午後0時30分
休 診 日:日曜日、祝祭日、第2・3・5土曜日、年末年始(12月30日〜1月3日) -
佐藤 和朗
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・教授
診療科部長
桑島 幸紀
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・特任准教授
医長・医局長
飯塚 康之
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
菊池 恵美子
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
浅沼 莞奈
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
上田 茜
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
深澤 慶子
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
吉田 弘法
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・助教
松田 星
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
阿部 カレン
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
猪股 康乃
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
岩間 美野里
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
山本 明日香
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
櫻井 直人
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
八重柏 大
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
木澤 采花
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
柴田 可凜
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
小豆嶋 剛大
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
佐藤 弘樹
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
竹田 梨乃
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
池田 陽子
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
野尻 夏歩
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師
安井 絢子
口腔保健育成学講座歯科矯正学分野・歯科医師