主な対象疾患は、消化管早期癌や十二指腸腺腫や大腸腺腫などの良性腫瘍、胆管癌や膵癌、総胆管結石による黄疸、胆管炎に対する治療内視鏡です。
当科における入院で最も多かったのは、大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術 (EMR)の患者さんです。
他にも消化管早期癌や良性腫瘍に対して内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)も積極的に行なっています。
胆膵領域では閉塞性黄疸や胆管炎に対しての診断、治療目的に内視鏡的逆行性胆道膵管造影 (ERCP)も積極的に行なっています。
また、大腸憩室炎や炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎やクローン病）の患者さんの加療も多く行なっています。

主な診療の対象は、あらゆる腎臓病、腎不全（透析療法）、体液（水・電解質・酸塩基平衡）の異常、および高血圧性疾患です。
当科では、腎疾患の確定診断のための経皮的腎生検目的の検査入院や、難治性の腎疾患（ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎、種々の腎炎、自己免疫疾患など）、急性腎障害および慢性腎臓病の専門的な治療のための入院が多いです。
また、透析療法の導入や透析患者さんの合併症の管理に対応しています。重症の高血圧や、原発性アルドステロン症など特殊な高血圧（二次性高血圧）の精査・治療も行っています。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

主な対象疾患は、脳梗塞、神経変性疾患（パーキンソン病など）、免疫疾患（重症筋無力症、多発性硬化症など）です。
当科の入院で最も多かったのは、脳梗塞の急性期治療のため入院した患者さんです。
その他、診断の困難な神経変性疾患や免疫疾患の検査・診断目的に入院される患者さんもいます。
また、免疫疾患の患者さんでは定期的に点滴での治療目的に入院する方もいます。

当科の糖尿病領域では、1型糖尿病、2型糖尿病を中心に様々な糖尿病の血糖管理入院や教育入院をおこなっています。
また、糖尿病の各種合併症（糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、動脈硬化性疾患）の評価や治療介入、インスリン導入や、シックデイ入院、手術に向けた血糖管理の入院もおこなっています。
他にも急性合併症である糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡といった専門施設での入院治療が望まれる症例を、地域の医療機関からご紹介頂き対応しています。
内分泌領域でも原発性アルドステロン症を中心に紹介を頂いており、クリニカルパスを用いた検査入院を積極的に行っています。
いずれも診断や急性期の治療終えると紹介もとへ再度紹介させて頂くなどの病診連携の体制を整えており、患者さんの希望に沿った診療を提供することができます。

主な対象疾患は、抗がん化学療法を要する造血器・リンパ系の悪性ならびに良性疾患（再生不良性貧血など）です。
当科における入院で最も多かったのは、抗がん化学療法目的で入院した血液腫瘍（主に悪性リンパ腫）の患者さんです。
急性白血病の同種移植を行う県内唯一の認定施設であり、同種移植件数も増加しています。

主な対象疾患は、肝臓の悪性腫瘍および急性・慢性の肝不全などです。
最も多いのは肝細胞癌で、その進行度、肝障害度に応じて経皮的局所療法(ラジオ波焼灼療法・マイクロ波凝固療法)(2020年度 217件、2021年度 200件)、カテーテル治療(肝動脈化学塞栓療法、リザーバーを用いた抗癌剤動注療法)(2021年度 181件)、化学療法(分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)、放射線療法を組み合わせて患者さんに最適な治療を提供しています。
門脈圧亢進症(食道・胃静脈瘤、難治性腹水)に対しては、内視鏡・カテーテルを用いた静脈瘤硬化療法・結紮術、腹水濃縮再静注療法による治療を行っています。
また、急性肝不全に対して、特殊治療(重症化予防治療、人工肝補助療法、脳死・生体肝移植)を積極的に行っています。

主な対象疾患は、抗がん化学療法（抗がん剤治療）や放射線治療を要する全身の悪性疾患です。
当科における入院で最も多かったのは、抗がん化学療法目的で入院した原発不明がん（転移したがんがあるとわかっていても、最初にどこから発生したかわからないがん）の患者さんです。
その他、消化器がん（食道がん、胃がん、大腸がんなど）や、肉腫（脂肪、筋肉、神経などの軟部組織に発生する悪性腫瘍）に対する抗がん化学療法や放射線治療も積極的に行っています。
また、がんの確定診断を目的とした短期入院による全身検査も行っています。

主な対象疾患は、関節リウマチなどのリウマチ性疾患や全身性エリテマトーデスに代表される膠原病です。
当科における入院で最も多かったのは、全身性エリテマトーデスや血管炎などの初発で寛解導入療法が必要な患者さまです。
また、大学病院という特性上、重篤な全身臓器障害を伴った患者さまや再燃を繰り返す難治性の患者さまも多く、このような患者さまに対しては、経験豊富なリウマチ専門医による先進的な治療も行っております。
また、当科では、産学連携による免疫炎症性難病の新規医薬品開発を目指した探索研究を行っており、個々の疾患に対して標的を絞った新しい治療法を見出し、将来的にはいち早く提供できるような環境が整っています。

主な対象疾患は、外科治療を必要とする消化器悪性疾患（食道癌、膵臓癌、大腸癌など）、乳腺悪性疾患（乳癌）、内分泌代謝疾患（高度肥満症）などです。
この他にも、胃癌、肝臓癌、胆道癌、末期肝不全、小児外科疾患などに対する手術も担当しています。癌治療においては、癌の進行度に応じた化学療法、放射線療法などの治療を行っています。
高度肥満症に対しては減量・代謝改善手術を行っており、適応疾患では、肥満が合併した2型糖尿病患者が増加しています。

当科の主な対象疾患は頭蓋内の腫瘍、頚動脈や脳血管の疾患、脊髄や脊椎の疾患です。
入院者数が一番多かったのは、良性腫瘍である髄膜腫や悪性腫瘍である神経膠腫などに対して開頭摘出手術を行った患者さんです。
次に脳出血に対して手術を行わずに保存的に治療した患者さんが多く、さらにカテーテルを用いて頭頚部の血管を検査した患者さんの入院が多い状況です。
近年は、脳動脈瘤に対する血管内手術を行うことが多くなっています。
頭部の疾患だけではなく、脊髄腫瘍や脊柱管狭窄症なども顕微鏡下を用いて多くの手術を行っています。
その他、悪性脳腫瘍に対する化学療法や、くも膜下出血に対する開頭手術、三叉神経痛や顔面痙攣に対する微小血管減圧術、パーキンソン病に対する脳深部刺激療法のための手術なども積極的に行っています。

小児外科の対象疾患は、鼠径ヘルニア、精系水瘤、停留精巣等の良性疾患です。
当科における入院で最も多かったのは、鼠径ヘルニア・臍ヘルニア・停留精巣・交通性精巣水瘤で、そのほとんどはクリニカルパスによる2泊3日の短期入院で行っています。
また、摂食嚥下障害に対する胃瘻造設術や胃食道逆流症に対する噴門形成術等の消化器良性疾患のほとんどの症例に対して腹腔鏡下手術を行っており、その低侵襲性から術後早期退院が可能となっています。

主な対象疾患は、外科治療を要する脊椎、手、肘、肩、股関節、膝、足の疾患ならびに四肢、体幹に発生した良性腫瘍や悪性腫瘍です。
当科における入院で多かったのは、脊椎疾患に対する固定術、四肢の関節に対する人工関節置換術、靭帯再建術、手の神経疾患、腱損傷などです。
最近は、癌の骨転移に対する治療が増加しています。

形成外科では、先天異常（口唇裂、口蓋裂、顎裂、小耳症、多合指（趾）症、漏斗胸、母斑、血管奇形など）の取り扱いが多いため、15歳以下の小児の入院が全体の約30％を占めています。
一方、成人例では腫瘍性疾患（皮膚皮下組織の良性腫瘍、悪性腫瘍など）、再建外科（乳癌や頭頸部癌などの悪性腫瘍切除後の再建）、外傷（顔面骨や顔面軟部組織の外傷、手足の外傷や熱傷など）を幅広く取り扱っており、乳腺外科、頭頸部外科、整形外科、救急科など多くの診療科とチーム医療を行っています。
母斑や血管腫などの手術なしの症例では、主にレーザー治療を目的とした入院が多くなっています。

主な対象疾患は、外科治療を要する肺の悪性腫瘍（原発性肺癌や転移性肺腫瘍等）、縦隔悪性腫瘍（浸潤型胸腺腫・胸腺癌・胚細胞性腫瘍等）、縦隔良性腫瘍（非浸潤性胸腺腫・先天性嚢胞性疾患等）、良性肺腫瘍、嚢胞性肺疾患、自然気胸、続発性気胸、肺炎症性疾患（非結核性抗酸菌症や真菌症や肺化膿症等）、膿胸、胸壁腫瘍、手掌多汗症、胸部外傷などです。
当科における入院で最も多かったのは、外科治療目的で入院した肺の悪性腫瘍（主に原発性肺癌と転移性肺癌）の患者さんです。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

主な対象疾患は、耳・鼻副鼻腔・口腔・咽頭・喉頭及び頸部の良性疾患及び炎症性疾患です。
当科における入院で最も多かったのは、外科治療目的で入院した耳の炎症（真珠腫性中耳炎）の患者さんです。
続いて手術を必要とする鼻の炎症（慢性副鼻腔炎や副鼻腔真菌症）の患者さん、聴力改善手術（人工内耳や耳硬化症）の患者さん、唾液腺良性腫瘍（耳下腺良性腫瘍、顎下腺良性腫瘍）などが続きます。
末梢性めまい症の患者さん、頸部膿瘍の患者さんなどが季節的に増える事があります。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

頭頸部悪性腫瘍（癌）は咬合・咀嚼・嚥下・呼吸・発声など人間の生存に基本的な機能を担う部位に発生するため、機能温存を常に考慮しながら治療を行わなければなりません。
早期例では、基本は内視鏡下手術を含めた手術による摘出を考えますが、部位によっては切除後の機能を考慮して放射線治療を優先することもあります。
進行癌では、再建術を含めた根治手術が適応となりますが、やはり、切除範囲が大きくなると術後の機能障害が必発なので、化学療法と放射線治療を組み合わせた治療を行うことも多いです。
治療後に嚥下リハビリテーションなどで機能回復を目指す症例も多く、入院期間が長くなる場合もあります。

当科には皮膚悪性腫瘍をはじめ様々な皮膚疾患の患者さんが、岩手県、近隣の県から来院します。
最も多い入院は、皮膚悪性腫瘍の手術を行う患者さんですが、色素性母斑や脂腺母斑などの皮膚良性腫瘍の手術を行う患者さんも数多く入院します。
アトピー性皮膚炎や急性膿皮症、脱毛症、水疱症など腫瘍以外の患者さんの入院治療も幅広く行っています。

主な対象疾患は、尿路結石、前立腺針生検、腎癌、前立腺癌、膀胱癌です。
当科における入院で多かったのは、尿路結石に対する破砕治療を行った患者さんです。
また、前立腺癌の確定診断を目的とした短期入院による前立腺針生検検査も多いです。
さらに、腎癌、前立腺癌、膀胱癌に対するロボット支援手術や経尿道的手術を行った患者さんも多いです。

当科は各主要科が統合された自己完結型のＥＲシステムを採用しています。科別の主な疾患は以下の通りです。
外科グループ：腹腔内感染症、胸・腹部外傷、消化管穿孔による腹膜炎など
整形・熱傷グループ：広範囲熱傷、多発外傷、骨折、敗血症など
脳神経外科グループ：硬膜外血腫、脳出血、脳挫傷など
呼吸器グループ：肺炎、ＣＯＰＤ、膿胸、急性期呼吸不全など
消化器内科グループ：食道・胃静脈瘤、消化性潰瘍、重症膵炎、憩室出血など
泌尿器科グループ：尿管結石、尿路感染症、腎損傷、血液浄化が必要な敗血症など
脳神経内科グループ：急性期脳梗塞、中枢神経系感染症など
循環器内科グループ：急性冠症候群、心不全、感染性心内膜炎など

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

当科では、緩和ケア外来、緩和ケアチーム、緩和ケア病棟で患者さんやご家族のつらさの緩和に取り組んでいます。
緩和ケア病棟にはさまざまな癌の患者さんが入院され、特に肺癌や消化器系の癌の患者さんが多く入院されます。
平均在院日数は癌の種類だけでなく、個々の患者さんの病状によっても異なってきます。
緩和ケア病棟全体での平均在院日数は約24日となります。

当科は、冠動脈、不整脈、弁膜症のカテーテル手術を受ける方が、入院者の大半を占めています。心房細動や心室の頻脈性不整脈の心臓内の伝導路を電気・冷却・レーザーなどで焼灼し根治もしくは改善させるアブレーション治療、慢性虚血性心疾患の診断カテーテル検査や経皮的インターベンション（PCI）、カテーテルによる大動脈弁置換術（TAVI）、徐脈性不整脈に対するペースメーカー挿入手術を目的とした入院で、特に、PCIとTAVIの平均在院日数が、全国平均より著しく短いのが特徴です。

当科における主な疾患は、心臓に栄養を送る血管が狭くなるあるいは閉塞することで起こる狭心症や心筋梗塞、心臓の中にある4つの弁が固くなるあるいは開閉に問題が起こる狭窄症や閉鎖不全症といった弁膜症、心臓から出た大きな血管（大動脈）がこぶ状に大きくなるあるいは血管の内側から裂けてしまう動脈瘤や大動脈解離（大動脈解離は急に起こることがほとんどです）、そして生まれつき心臓に障害がある先天性心臓病となります。
お示しした表はその中のごく一部になりますが、成人の手術に関しては、各領域幅広く行われており、最も多く扱っている疾患は弁膜症となります。
在院日数は、手術前の入院を加算した数値として約20日前後となりますが、手術後の入院はおおよそ10～14日となります。

主な対象疾患は、消化管早期癌や十二指腸腺腫や大腸腺腫などの良性腫瘍、胆管癌や膵癌、総胆管結石による黄疸、胆管炎に対する治療内視鏡です。
当科における手技で最も多かったのが、大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術 (EMR)の患者さんです。
他にも消化管早期癌や良性腫瘍に対して内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)も積極的に行なっています。
胆膵領域では、閉塞性黄疸や胆管炎に対しての診断、治療目的に内視鏡的逆行性胆道膵管造影 (ERCP)でステント留置術や内視鏡的乳頭切開術(EST)も積極的に行なっています。

主な対象疾患は、変性疾患等により経口摂取が困難となった方に対する胃瘻増設術、呼吸困難に対する気管切開術、脳梗塞の超急性期治療としての血栓回収術、パーキンソン病に対する脳深部刺激療法などです。
胃瘻造設術については、放射線科と共同で行います。
血栓回収術は、脳神経外科と共同で、24時間体制で行っており、夜間に救急搬送された患者さんにも対応します。
脳深部刺激療法については脳神経外科と共同で行っており、パーキンソン病の患者さんを対象としています。

安全に外来治療を継続する為に、埋め込み型カテーテルを設置する場合もあります。
また、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植をおこなっているため、移植用の造血幹細胞採取もおこなっております。

主な対象疾患は、肝臓の悪性腫瘍および急性・慢性の肝不全などです。
最も多いのは肝細胞癌で、その進行度、肝障害度に応じて経皮的局所療法(ラジオ波焼灼療法・マイクロ波凝固療法)(2020年度 217件、2021年度 200件)、カテーテル治療(肝動脈化学塞栓療法、リザーバーを用いた抗癌剤動注療法)(2021年度 181件)、化学療法(分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)、放射線療法を組み合わせて患者さんに最適な治療を提供しています。
門脈圧亢進症(食道・胃静脈瘤、難治性腹水)に対しては、内視鏡・カテーテルを用いた静脈瘤硬化療法・結紮術、腹水濃縮再静注療法による治療を行っています。
また、急性肝不全に対して、特殊治療(重症化予防治療、人工肝補助療法、脳死・生体肝移植)を積極的に行っています。

手術では、大腸癌、胃癌、乳癌、鼠経ヘルニアに対する手術が多いですが、悪性疾患（食道癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌）、良性疾患（高度肥満症、胆嚢結石症、虫垂炎）などの手術も行っています。
多くの手術では、体に負担が少ない内視鏡を使用した胸腔鏡や腹腔鏡下手術を選択しています。
食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌に対しては、希望によりロボットを使用したロボット支援下手術も行うことができます。
当科では、手術難度が高い肝移植の実施施設、減量・代謝改善手術の認定施設であり、安全な手術を提供できています。

当科で最も多く行われている手術は、脳腫瘍摘出術です。
脳腫瘍には髄膜腫や聴神経鞘腫などの良性腫瘍、神経膠芽腫や星細胞腫などの原発性悪性腫瘍、さらに転移性脳腫瘍があり、それぞれの手術適応を考慮したうえで、摘出術を行っています。
腫瘍摘出術では手術中にナビゲーションシステムを用いて脳腫瘍の位置を正確に割り出したり、手術中に頭部CTを撮影して摘出範囲が十分であるかなどを評価したりして手術成績の向上に努めています。
次に脊柱管狭窄症に対して椎弓切除術なども顕微鏡を用いて手術を多く行っています。
近年では脳動脈瘤に対してカテーテルを用いて血管内から動脈瘤を塞栓する血管内手術が増加しましたが、開頭して行う脳動脈瘤頚部クリッピング術も同程度行われています。
当科では頚部内頚動脈狭窄症に対して血栓内膜摘出術を多く行っており、これは当科の特徴となっています。

小児外科の対象疾患は、鼠径ヘルニア、精系水瘤、停留精巣等の良性疾患です。
当科における手術で最も多かったのは、鼠径ヘルニア手術・停留精巣固定術・交通性精巣水瘤手術で、そのほとんどはクリニカルパスによる2泊3日の短期入院手術で行っております。
また、重症心身障害児に対する胃瘻造設術および噴門形成術は全例腹腔鏡下に行っており、低侵襲性から術後合併症を認めず、術後1週間での計画的退院および転院となっています。

主な対象疾患は、外科治療を要する脊椎、手、肘、肩、股関節、膝、足の疾患ならびに四肢、体幹に発生した良性腫瘍や悪性腫瘍です。
当科における入院で多かったのは、脊椎疾患に対する固定術、四肢の関節に対する人工関節置換術、靭帯再建術、手の神経疾患、腱損傷などです。
最近は、癌の骨転移に対する治療が増加しています。
脊椎固定術は、県内の他の施設では実施困難な症例も引き受けております。
手の疾患も他の施設では実施困難なもの、治療後の成績不良例などが紹介され、治療をおこなっております。

全手術例は、約1200件（うち入院手術約600件）です。
入院手術のうち口唇裂口蓋裂関連の小児の手術が約9％を占め、その中で顎口蓋裂形成術が最多の21件でした。
乳癌・頭頸部癌などの悪性腫瘍切除後の再建手術は約22％を占め、人工乳房再建が最多でしたが頭頸部再建は本指標では計数されていません。
褥瘡・足壊疽・骨髄炎などの難治性創傷の手術は約7％で、このうち糖尿病性足壊疽や重症下肢虚血を対象とした四肢の切断術が最多の13件で、下肢の血流不良例が多いため入院期間が長くなっています。
眼瞼下垂手術は入院手術の2.5％を占め大部分が局所麻酔による手術です。
良性悪性の皮膚腫瘍切除は約13％を占め、このうち小児の良性腫瘍が最多でした。

主な対象疾患は、外科治療を要する肺・縦隔・胸壁の悪性ならびに良性疾患（良性腫瘍、気胸、膿胸等）です。
当科における手術で最も多いのは、胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術です。
肺悪性腫瘍に対しては完全胸腔鏡下手術が基本であり、2021年実績で区域切除以上の原発性肺癌手術の完全胸腔鏡下手術完遂率は97.1％に達し、転移性肺腫瘍では100％です。
2019年からは原発性肺癌に対するロボット支援下肺悪性腫瘍手術も開始しており、2021年実績で9例です。
縦隔腫瘍に関しては2021年実績で16例あり、胸腔鏡下手術が14例であり、うちロボット支援下胸腔鏡手術が4例です。
気胸に関しては2021年実績で59例の手術実績があり、そのほとんどは続発性気胸であり、他医療機関で治療限界に至った難治性肺瘻の治療も積極的に引き受けて手術を実施しています。
また、内科的治療に難渋する膿胸の外科治療も積極的に実施しており2021年実績で8例です。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

主な対象疾患は、耳・鼻副鼻腔・口腔・咽頭・喉頭及び頸部の良性疾患です。
当科における手術で最も多かったのは、鼓室形成術で耳小骨温存術・耳小骨再建術を合わせると年間８０件以上施行されています。
続いて副鼻腔腫手術が約３０件あり、ナビケーションシステムを用いて根治を目指した手術をしております。また、リスクの高い口蓋扁桃摘出術（高体重、低年齢、合併症あり）なども施行しております。
岩手県で唯一人工内耳の手術も施行し、難聴者の社会復帰に尽力しております。

当科では、様々な疾患を取り扱っており、患者さんの希望に沿った診療を提供しています。

当科で扱う手術例は口腔がん、咽頭がん、喉頭がんが多く、早期の場合には内視鏡下切除を行なっていますが、大部分は外切開による切除となります。
所属リンパ節が頸部リンパ節であるため、転移リンパ節を切除する頸部郭清術も多くなり、原発巣の切除と同時に行うことが多いです。
口腔がんの中でも舌癌症例が多く、早期であれば部分切除が可能ですが、進行例では切除範囲が広くなり、再建手術（自家遊離複合組織移植術）を追加しています。
頭頸部癌は、咬合・咀嚼・嚥下・呼吸・発声など人間の生存に基本的な機能を担う部位に発生するため、機能温存を常に考慮しながら治療を行っています。

当科で最も多い手術は皮膚悪性腫瘍切除術であり、悪性黒色腫をはじめ、有棘細胞癌、基底細胞癌など様々な皮膚悪性腫瘍の手術を行っています。
病変の取り残しの有無を病理検査で確認したうえで二期的再建を行う場合は、入院を２回に分けて行うことがあります。
皮膚皮下腫瘍摘出術は、小児や若年者などの患者さんに生じる皮膚良性腫瘍が対象となるため、術後日数も比較的短くなっています。

主な対象疾患は、外科治療を要する良性疾患（尿路結石）や悪性疾患（前立腺癌、腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌など）です。
当科における手術で最も多かったのは、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術です。
現在、多くの泌尿器系悪性腫瘍に対して、腹腔鏡下またはロボット支援下手術を行っています。
また、膀胱癌に対してはALA併用による経尿道的手術も行っています。
このような最先端の低侵襲治療を安全に患者さんに提供することを心がけています。

K6153 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等） その他のもの
血管塞栓術の対象疾患は外傷などによる出血性病変の止血、動脈瘤や動静脈奇形の治療、血流改変など多種多様です。一般的には太ももの付け根の大腿動脈または大腿静脈の中にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、目的部位まで誘導します。その後、金属コイルと呼ばれる柔らかい針金状の金属を血管内に留置して血流を消失させます。メスで皮膚を大きく切ったるすることはなく、術後の早ければ翌日に退院可能です。

K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術　初回
血液透析用のシャントを作成した場合は、週3回程度の維持透析をしていくことになります。シャントの血管に針を2本刺して脱血と返血に使います。透析用に使う血管内が狭くなってくると、今までできていた脱血ができなくなったり、返血がうまくいかなくなります。このような場合にはバルーン（風船）のついたカテーテルを血管内に挿入して、内側から血管を拡張します。そうすることで透析できる環境を維持していきます。血管内に血栓ができて、シャントの血管が閉塞してしまうことも稀にあります。この場合もカテーテルで閉塞してしまった血管の再開通を試したり、血栓を小さくして血流を回復できるように治療を試みます。

K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術
放射線治療をピンポイントで病変に有効に照射するために、病変のおおよその輪郭をわかりやすくする必要があります。CTガイド下に金マーカーを留置し、金マーカーを目安に照射範囲を検討して体幹部定位放射線治療を行います。

K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置　頭頸部その他に設置した場合
CVポートは中心静脈カテーテルの一種で、抗がん剤や高カロリー栄養等の点滴が必要な際に、体外から接続できる埋め込み型の小さな器具です。点滴用の血管を探すために何度も針を刺したり、点滴が漏れたりする心配がなくなります。

K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術　１の実施後３月以内に実施する場合
血液透析がしにくくなってきた場合には、狭くなった血管をその都度拡張したり、血管内が狭くなる前にあらかじめ拡張を計画したりして透析ができる環境を維持していきます。シャントに使う血管の状態によっては、だんだんと血管が硬くなったり、拡張しても拡がりにくくなることがあります。このような場合は３ヶ月が経たない場合でも再び拡張術を試して、なんとか透析できる状態にします。血管が硬くなっている場合は、カッティングバルーンという、血管内から切れ目を入れてその後に血管を拡げるカテーテルを使うこともあります。

主な手術対象疾患は、胸腹部外傷、腸閉塞、消化管穿孔を含めた腹腔内感染症、椎体骨折を含めた全身の骨折、上下肢壊疽、軟部組織感染症、よく創などの外傷性損傷や異物、重症熱傷、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫、脳出血などです。
特に脊髄損傷を合併した脊椎外傷に対する緊急手術は、本県では当科のみ施行しています。
胸腔鏡・腹腔鏡手術など、いつでも緊急に施行可能で、手術侵襲を抑えることで周術期リスクの軽減をはかっています。

当科のカテーテル手術について、多いものから順に解説すると、心房細動のアブレーション、慢性虚血性心疾患の経皮的インターベンション、大動脈弁留置術（TAVI）、末梢動脈疾患のカテーテル治療、心室性不整脈のアブレーションになります。症例数については、アブレーション手術とPCIは東北で、TAVIは全国でトップクラスです。何れも術前後の平均日数が短く、患者様の早期回復、早期社会復帰を目指しております。

こちらの表からは、冠動脈、大動脈バイパス手術が患者数として一番多く表示されていますが、次の弁膜症（1弁）とあるのは、心臓の中の4つの弁のうち1つだけを治療したものとなっております。
実際には、当科において1つ弁のみを治療することは全体としては3～4割で、2つの弁が同時に悪くなっていることも多く、1度の手術で可能な限り状態の悪い弁も治療する方針となっているため、表には表れていない、2つあるいは3つの弁を治療することが多くなっています。
年齢も平均70歳前後となっていますが、80歳以上であっても手術可能な状態と判断すれはご本人、ご家族と相談の上、積極的に手術を行っています。
循環器内科の先生方とも一緒に治療を行っていますので、何かありましたら遠慮なくご相談ください。