附属内丸メディカルセンター長のあいさつ

 本学附属病院は、明治30年(1897)4月に私立岩手病院として創設されました。以来120有余年、盛岡市中心部である内丸の地に脈々と歴史を刻みながら、あまたの医療人を輩出、高度医療の発展とともに地域医療の充実をめざしてまいりました。しかしながら日進月歩で医療が高度化する中で将来にわたる診療・教育・研究の発展のために、令和元年(2019)年9月、広大な矢巾地区への附属病院移転に至りました。そして、本学淵源の地である内丸には「岩手医科大学附属内丸メディカルセンター」を開設し診療を継続しております。
  内丸メディカルセンターの特徴のひとつは、日帰りまたは短期入院での迅速な検査・診断を行う外来機能の充実です。新附属病院での入院・手術などの高度専門医療と連携し、外来診療については利便性の高い当センターで行うことを基本としております。さらに専門性の高い医療を多部門連携で提供するため、従前からの歯科医療センターの他に睡眠医療センター、リプロダクションセンター、肥満症外科治療センターを設置しております。もうひとつの特徴は、どこを受診して良いかわからないなどの患者さんが、身近な医療機関として紹介状がなくても受診できる「プライマリ外来」を開設していることです。総合的・全人的な診察のうえで、必要により専門医療へつなげる役割を果たしております。わが国では急速な高齢化・人口減少社会の到来にむけて医療提供体制の変革が迫られております。岩手医科大学でも2つの病院の運営を通じて、細分化と総合化、機能特化と地域連携、高度専門医療とプライマリ・ケアについて、いずれも重要な二本の柱として時代の要請にお応えする新しい医療提供体制の形を目指しております。
 内丸メディカルセンターは「地域の皆様に良質な医療を、まごころをこめて提供します」の理念の元、職員一人一人が、患者さんに優しい病院づくりに励んでおります。しかしながら、なにぶん歴史を重ねた建物で運営されており、駐車場、診療部門の動線、待合い室などにおいて大変ご不便をおかけいたしております。2021年度は外来棟のトイレ改修を行いましたが、今後も必要な改修や運用方法の改善を進めながら、より快適な受療環境になるよう努力してまいります。なにとぞご理解くださいますようお願い申しあげます。

岩手医科大学附属内丸メディカルセンター
センター長 下沖 収

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