業務内容・取り組み
「透析室」は、2008年4月1日に中央診療部門の一部門として「血液浄化療法部」となりました。
「血液浄化療法」とは聞きなれない言葉ですが、「ポンプなどで血液を体の外に導き出し、様々な方法により不要な物質(毒素)を血液(体内)から除去、あるいは必要な(不足している)物質を血液(体内)に補充し、病態の改善をはかる治療法」です。
適応となる病気は、腎臓および肝臓など代謝機能(解毒機能)を司っている臓器の病気から始まり、神経・血液・自己免疫疾患などの様々な病気が対象となります。「当療法部」では、これらの病気の中でも血液透析を必要とする末期腎不全患者さんが多く、外来血液透析のみならず心臓の病気や悪性腫瘍などの合併症の治療のため入院されている重症患者の入院血液透析を主に行っています。重症患者さんの治療中の病態変化を見極める細やかな観察力と機器管理を含めた高度で専門性の高い技術力を有した専任看護師、臨床工学技士、専任医師の3者によるチーム医療を行っております。
かかりつけの先生より治療法の一つとして「血液浄化療法」や「アフェレシス療法」を提示されたが、不安や疑問のある患者さんは、かかりつけの先生を通してご相談ください。各種病気を専門に診療してくださる当院の各診療科と連携をとりながら、治療法の適否を検討いたします。
血液浄化療法適用疾患
<腎疾患>
- 急性および慢性腎不全
- 巣状糸球体硬化症
- ABO血液型不適合間若しくは抗リンパ球抗体陽性の同種腎移植
- 抗GBM抗体型糸球体腎炎
- 抗白血球細胞質抗体(ANCA)型急速進行性糸球体腎炎
<消化器系疾患>
- 重症急性膵炎
- 劇症肝炎
- 術後肝不全
- 急性肝不全
- 慢性C型ウイルス肝炎
- 肝性昏睡
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- ABO血液型不適合間若しくは抗リンパ球抗体陽性の同種肝移植
<皮膚疾患>
- 天疱瘡
- 類天疱瘡
- 中毒性表皮壊死症
- スティーブンス・ジョンソン症候群
- 関節症性乾癬
- 膿疱性乾癬
<神経系・自己免疫疾患>
- 重症筋無力症
- 多発性硬化症
- 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
- ギラン・バレー症候群
- 悪性関節リウマチ
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
<血液系疾患>
- 多発性骨髄腫
- マクログロブリン血症
- 血栓性血小板減少性紫斑病
- 重度血液型不適合妊娠
- 溶血性尿毒症症候群
- インヒビターを有する血友病
<その他>
- エンドトキシン血症
- 薬物中毒
- 家族性高コレステロール血症
- 閉塞性動脈硬化症
- 川崎病