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皮膚科では、軽症から重症、良性疾患から悪性疾患まで幅広い皮膚疾患を担当しています。アトピー性皮膚炎を代表とするアレルギー疾患、強皮症・皮膚筋炎・全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など膠原病の皮膚病変、血管炎、天疱瘡や類天疱瘡などの水疱症、乾癬を含む炎症性角化症、脱毛症、血管腫や色素性病変、良性・悪性皮膚腫瘍、感染症など診療範囲は多岐に亘ります。
アトピー性皮膚炎でお悩みの方やご家族の中には、インターネットの普及により色々な情報が簡単に手に入るためどうすればいいのか混乱してしまうことも多いと思います。当科ではステロイド外用療法、保湿剤によるスキンケアに加え、免疫抑制剤の外用や内服、紫外線療法、さらに生物学的製剤治療など患者さんの皮膚状態や治療効果を確認しながら治療を選択し、長期の安定状態と患者さんのquality of life (QOL)向上を目指しています。外来での限られた時間内では時として十分な説明が出来ず、思ったような治療効果が得られないことがありますが、このような場合は入院の上、アトピー性皮膚炎とはどういう病気なのかを学び、入浴法、薬の塗り方や保湿などのスキンケア法、生活上の注意点とその対策などを医師と共に学んで頂いています。
乾癬では外用療法や紫外線療法に加え、エトレチナートや免疫抑制剤の内服、そして国内でも豊富な経験を有する生物学的製剤治療も積極的に行っています。
皮膚悪性腫瘍の患者さんも非常に多く、手術療法や化学療法を行い患者さんにとって最良な治療を常に考え選択し提示しています。手術件数は国内でも有数な施設です。また美容医療にも取り組んでおり、これからも様々なニーズに応えられるようスタッフ一同、日々努めて参ります。附属病院(矢巾)では入院治療を中心に行っており、外来診療は内丸メディカルセンターで行っています。 -
皮膚科の病床は東病棟8階Aが中心です。病棟医長のもと、これらの病床を複数の医師で構成される2つのグループで日々の診療に当たっています。
入院治療を必要とする皮膚疾患は非常に多く、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、乾癬、水疱症、膠原病、(重症)薬疹、熱傷(やけど)や各種皮膚腫瘍に対する外科的治療、抗がん剤などによる化学療法、手術後の放射線療法、また乳幼児の母斑(あざ)の治療があります。年齢層も新生児、乳児から高齢者までと幅広く、様々な疾患の患者さんが入院し治療を受けています。
手術室で行う年間の手術件数は300件を超えます(手術室以外での件数は含みません)。手術法についてはスタッフ間で十分に検討した上で常に患者さんにとって最良な治療を考え選択し説明しています。
病棟の特徴は専用の皮膚科処置室を備えていることです。この処置室で軟膏処置、術後の創傷処置や熱傷処置、手術室以外の局所麻酔下での小手術を行っています。また、寝たきりの患者さんや手術後で移動などが不自由な患者さんでもストレッチャーのまま安心して入浴できるように特殊浴室も完備しています。
医師、看護師、看護助手、医療クラークのスタッフ一同、患者さんが安心して入院生活を送ることが出来るようきめ細やかな対応を心掛けています。