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脳神経外科で診療を行う主な対象疾患は脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷ですが、当科では脊椎脊髄疾患、パーキンソン病、小児奇形疾患、運動・感覚の機能的疾患などへの外科的な治療も積極的に行っています。各疾患において脳循環代謝の検査(SPECT,PET)や超高磁場核磁気共鳴装置(7テスラMRI)を用いて脳機能解析を綿密に行い、外科的に完全根治をめざすことを最大の目標にしています。血管撮影装置や高性能CTと手術室を組み合わせたハイブリッド手術室で難易度の高い手術を行ったり、覚醒下手術、内視鏡、ナビゲーションシステムを用いて低侵襲かつ機能を温存させる手術も行っています。最近では、脳神経内科とチームを組み、急性期脳梗塞に対して血管内治療を駆使し、急性再開通療法を施行して良好な治療成績をおさめています。脳動脈瘤や血管奇形に対して血管内治療を行う患者さんも増加してきました。集学的な治療が必要となることが多い脳腫瘍、小児疾患などに関しては放射線科、小児科、形成外科、頭頸部外科、耳鼻科などと密に連携し、診断・治療にあたっています。一方で手術ありきの医療ではなく、患者さんの将来的な予後を最大限に考慮して、薬物療法や放射線療法も取り入れています。今までの当施設の実績や世界的なエビデンスを基に今後も患者さん1人1人の治療を皆で検討してまいります。