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あいさつ
皆さん、初めまして。リプロダクションセンターにようこそ。
新しい命は社会の希望であり光です。多くの希望と光が育つよう、一緒に歩んでまいります。皆さんのお悩みを分かちあっていただけるよう、日々精進して参ります。このページをお読みになってご不明なことやご不安なことがありましたら、遠慮なくお尋ねください。スタッフ一同、誠心誠意、解消に努めることをお約束いたします。
子どもを望むカップルが、1年間性生活を営んでも妊娠しない場合を不妊症といいます。以前は10組に1組でしたが、女性の就業率の増加やそれに伴う社会構造の変化により晩婚化が進み、現在では6組に1組のカップルが不妊に悩んでいると言われています。
“女性年齢が上昇すると妊娠しにくくなる“というのは事実ではありますが、不妊症の原因の約半数は男性側にあります。また女性・男性とも年齢に限らず専門的な検査によって初めて原因が判る事もよくあります。不妊治療はカップルが足並みを揃えて検査・治療を進めていく事が非常に大事です。
近年は医療の情報開示も進み、社会からより高度な生殖医療・周産期医療を求められる事が多くなっています。当センターはそれに応えるべく最新で十分な医療を提供してまいります。そして母児ともに健康で安全な出産が迎えられるような産後も見据えた生殖医療を提供する事、そして不妊治療の期間はなるべく短くする事も心掛けております。
また不妊症のみならず不育症、プレコンセプションケア、専門的治療が必要な良性婦人科疾患など生殖医療全般に対応しております。
特色
カップルごとに行う個別ケア
妊娠・出産に対する考えは個々のカップルで異なります。ともすれば画一的になりがちな不妊治療ですが、治療選択にあたっては医学的な根拠をお示しした上で社会的な事情を加味しつつ、お二人の想いを最大限に尊重し個別にすすめてまいります。
プレコンセプションケア
“プレコンセプションケア”とは将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合う事です。現在ご病気のある方が将来の妊娠の為に今出来る事があるか?といった相談にも乗ってまいります。また子宮内膜症など妊娠前からの治療が大事な婦人科疾患に関しても積極的に診療しております。
生殖外科手術の提供
安全な不妊治療、そして妊娠出産を迎える為に外科的治療が必要となる事があります。特に子宮筋腫や子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどは妊娠と密接な関係があり、適切な時期に過不足のない手術を行うが重要です。
現在生殖医療に関する手術の殆どは内視鏡(腹腔鏡、子宮鏡)で行っております。尚手術に関しては矢巾附属病院と連携し、内視鏡技術認定医を中心に治療チームを組んで実施しております。
妊娠後の継続的な医療の提供
出生前診断を希望される方は臨床遺伝科に紹介し臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを提供します。当院は母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)を実施しております。
出産までのリスクに関しても適切に評価し、ハイリスク妊娠と考えられる方は矢巾附属病院総合周産期センターで安全に出産出来るように連携してまいります。特にリスクがない方はご希望に応じて近くの病院、クリニックへご紹介します。
※NIPTを受ける事をお考えの方は、臨床遺伝科ホームページをご覧下さい。
各専門医との連携
男性不妊に関しては泌尿器科専門医と、その他現在ご病気のある方はそれぞれの専門医と連携を取りながら診療を進めてまいります。
不妊相談
これから不妊治療を受けようか悩んでいる方、また現在治療中で方針についての疑問のある方や体外受精実施後の公費助成についてなど、無料で電話相談と面接相談を実施しております。お気軽にご相談ください。
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人工授精(AIH)
人工授精は年間400~500件程度実施しております。個々のカップルの状況に応じ自然周期、あるいは排卵誘発剤併用いずれも行っております。妊娠率は年齢や不妊原因により異なりますが、5~6回程度実施しても妊娠成立しない時は体外受精へstep upする事をお勧めします。
人工授精実施件数と妊娠率(40歳未満)
回数別人工授精実施件数と累積妊娠率(2018-2022年)
体外受精・胚移植(IVF-ET)
採卵は年200件程度、胚移植は年250件程度実施しております。
妊娠率は難治性の方、合併症がある方を含めて全体で30%程度(移植あたり)です。妊娠率に関しては年齢、原因、合併症より大きく異なりますので
詳細は外来で説明してまいります。体外受精胚移植実施件数と妊娠率(全年齢)
体外受精年齢別妊娠率(2022年)