がんについて知りたい
不安や疑問を解消するためにも、がんに関する情報を集めることが大切です。インターネットを活用すると、たくさんの情報を簡単に入手できます。
ただし、インターネット上の情報には、特定の治療を勧めるなどの偏ったものや不正確なものもあるので、信頼できる情報かどうかを見極めることが必要です。得られた情報が全て自分に当てはまるとも限らないので、注意しましょう。まずは公的機関の情報を参照するとよいでしょう。
部位別のがんの解説や治療法、療養生活に関する情報や、「患者必携」などがんに関するさまざまな冊子・資料が入手できます。小児がん専門のページもあります。
がんに関する基礎知識や各種のがん検診・無料相談窓口などの情報を掲載しています。
県内のがん診療連携病院の情報やがんに関する相談機関、がん患者・家族会、がんサロンの情報、就労支援等について掲載しています。
診療科や所在地、セカンドオピニオンへの対応など、さまざまな条件で医療機関を検索できます。
がんの治療法には、主に「外科治療(手術)」「放射線治療」「薬物療法」があり、これらは「がんの3大治療」と呼ばれています。いま行うことができる最良の治療として、有効性が科学的根拠により証明されている治療法を「標準治療」といいます。
下記の図は、「標準治療となるまでの過程」を示したものになります。医学において、「最先端の治療」が最も優れているとは限らないことも理解しておくことが大切です。
国立がん研究センターがん情報サービス「研究段階の医療(臨床試験、治験など)基礎知識」
「図2 標準治療ができるまで」を元に作成
補完代替療法とは、がんの治療(手術や薬物療法、放射線治療)を補ったり、その代わりに行う医療のことです。健康食品やサプリメント、針・灸、運動療法、心理療法なども含まれます。
補完代替療法を取り入れることで、前向きな気持ちになり、積極的に治療していく助けになると感じる方も多いと思います。しかし、がんに対する治療効果が科学的に証明されたものはありません。補完代替療法を行う場合は、「補完代替療法の内容を吟味する」「情報を集める」「有効性と安全性の評価を知る」「補完代替療法について担当医と相談する」ことが大切です。下記のサイトにはがんの補完代替療法に関する情報が掲載されていますので参考にしてみてください。関心のある補完代替療法があれば、必ず主治医に相談しましょう。
※遺伝子変異:細胞の中の遺伝子がなんらかの原因で後天的に変化することや、生まれ持った遺伝子の違い
一部のがん治療では、がんの組織などを用いて1つまたはいくつかの遺伝子を調べる「がん遺伝子検査」を行い、遺伝子の変化に対応した薬の選択が、標準治療としてすでに行われています。このような「がん遺伝子検査」はがんゲノム医療に含まれません。
「がん遺伝子パネル検査」は多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異があるかどうかを調べる検査です。遺伝子変異が見つかった場合、複数の専門家によって構成されるチーム(エキスパートパネル)によって解析結果が検討されます。さらに、治療を担当する医師がこの結果を参考にして、その遺伝子変異に対して効果のある薬があるか、効果が期待できない場合にはその他の治療を検討します。
「がん遺伝子パネル検査」は、標準治療がないまたは標準治療が終了したなどの複数の条件を満たす場合に行われています。また、検査を受けても必ず治療法が見つかるわけではありません。
がんゲノム医療を受けたい時は、まず主治医に相談しましょう。
がん相談支援センターでも相談することができます。
私たちの体は免疫(めんえき)によって発生したがん細胞を排除しています。
しかし、免疫が弱かったり、がん細胞が免疫にブレーキをかけたりすることにより、私たちの体ががん細胞を異物として排除しきれないことがあります。
免疫療法は、免疫本来の力を回復させてがんを治療する方法です。
≪効果が明らかな免疫療法は限られています≫
現在の免疫療法には、治療効果や安全性が科学的に証明された「効果が証明された免疫療法」と、治療効果や安全性が科学的に証明されていない「効果が証明されていない免疫療法」があります。
自由診療で行われる免疫療法は、効果が証明されておらず、医療として確立されたものではありません。「自由診療として行われる免疫療法」を考える場合には、治療効果・安全性・費用について慎重な確認が必要ですので、必ず担当医に話しましょう。